求人情報の正しい読み方 ~企業情報編~

求人情報の正しい読み方
~企業情報編~

企業に応募する上で、自分が求めている仕事にマッチしているかを判断することは非常に重要です。せっかく書類が通過して面接に行っても、自分がイメージしていた内容と全然違った場合は、お互いの時間が無駄になってしまいます。

面接で気づけばまだ良いですが、入社後に自分が思い描いていた仕事と違っていて、すぐに退職することになると、職歴も増え、その後の転職活動は不利になってしまいます。求人情報を正しく読み解く目的は、自分が思い描いているキャリアを実現できるかを判断することにあります。ここでは、そのようなミスマッチを防ぐためにも、「意外と知らない求人情報の基本項目」についての説明と、「特に注目して欲しいポイント」について、ご紹介させていただきます。

最初のチェックポイント

▼自分のキャリアプランにマッチしているか?

募集背景は必ず確認しましょう。求人情報にはいろいろな情報が載っていますが、募集背景は特に注目して見ていただきたいポイントの1つです。募集背景には、事業拡大による増員や、社員の退職に伴う欠員募集など様々な理由がありますが、理由を深掘りして推測することが重要です。
その募集によって期待されていることを満たすことと、自分のやりがい、今後やりたいこと(キャリアプラン)がマッチしているかはしっかりと見極めましょう。

雇用形態について

▼正社員

期間を定めずに雇用される雇用形態になります。むやみに解雇されることはなく、社会保険などの待遇面や収入が安定しているというメリットがあります。
ただし、残業が避けられない場合や、転勤を命じられることもあるように会社に拘束される部分も多くなります。

▼契約社員

決められた期間の間だけ、雇用契約を結ぶものになります。半年ごとや年単位など期間は契約内容によって様々です。決まった期間だけ働きたい方やスペシャリストの採用時など、正社員より給与が高いこともあるというメリットはありますが、契約が更新にならなかった場合は退職となってしまうので、安定的ではないというデメリットもあります。

▼派遣社員

勤務する企業ではなく、派遣会社と雇用契約を結ぶものになります。
仕事内容や給与、残業なし希望など、より自分の求める働き方に合わせて働けるケースが多いです。
ただし、契約社員よりも契約期間が短いケースが多いというリスクもあります。

【雇用形態について注目するポイント】
正社員求人でも、試用期間中は「契約社員」や「待遇面が違う」など企業によって、規定は様々です。また、契約社員採用で「正社員登用有」と書かれている求人もありますが、これまでの登用実績や、どんな条件を満たせば正社員になれるのか?(試験の有無など)を面接で確認しておくと、入社後のイメージがしやすくなり、安心できるかと思います。

給与について

▼年収

一年間で支払われるトータルの収入見込みとなります。
月給制でも、求人の給与欄に年収の見込みとして記載しているケースもあります。基本的にはボーナスや手当も含まれて記載されている場合が多いです。残業代については、概算の時間を計算し含んでいるケースと、含まれていないケースがあるので、面接時に確認するようにしましょう。

▼年俸制

あらかじめ一年間の報酬が決まっているタイプになります。その金額を12分割して毎月支払われる形が多いです。残業代が見込みで含まれている場合や、ボーナス・インセンティブは別途支給など、企業により様々なパターンがあるので、詳細の確認が必要です。

【給与について注目するポイント】

▼残業代が月給に含まれているケースもあるので注意が必要(固定残業代(みなし残業)について)
求人情報に記載されている月給と残業代は別途支給と思いがちですが、「固定残業代(みなし残
業)」として月給に含まれているケースもあります。営業職などは、それを「営業手当」という
名目にしている場合もあります。これらはあらかじめ、残業時間を想定し、その時間分を固定支
給している賃金形態になりますが、「何時間分の見込みなのか?」と「実際の平均残業時間はどのくらいなのか?」については入社前に確認しておいた方が良いかと思います。

▼福利厚生面を確認することも重要
給与条件以外にも福利厚生面を確認することは重要です。
会社によっては、住宅手当を設けているところもあり、年間で見ると大きな差になります。
補助の金額や立地などは記載されていないことが多いので、その点は面接時に確認をしましょう。

▼給与条件だけで応募の有無を決めつけてはいけない
いくら入社時の給与が高いからといっても、それだけで入社を決めてしまうことは危険です。
その後の上がり幅(モデル年収)や企業の将来性など総合的に判断する必要があるからです。
ただし、求人情報欄に年収のモデルケースが記載されていて、その条件が良かったとしても、そのモデルが一番低い額なのか、一番高い額なのか、平均なのかは実際に確認してみないとわかりません。
あくまでも記載されている給与は目安として考え、最低の希望給与条件を満たしている場合は、他の項目も確認し、幅広く検討することが良いかと思います。

勤務地について

▼総合職の場合は転勤の可能性も

Uターンや、Iターンなど勤務地の面で転職を考えている方も多いかと思います。せっかく地元に帰る為に転職をしても、1、2年後に転勤を命じられたため、再度転職活動を行わないといけなくなったというケースも耳にします。勤務地にこだわりがある方は、その会社の本社所在地、拠点の場所などを調べた上で、平均的にどのくらいの頻度で転勤になっているのか、どういった場合に転勤になっているのか(過去の実例)なども面接時に必ず確認しましょう。

勤務時間について

▼「フレックスタイム制」とは?コアタイムってなに?

最近よく見かける働き方ですが、「フレックスタイム制」とは、始業時間や就業時間を自由に決められる制度のことです。通勤ラッシュを避けるために朝の始業を遅くしたり、夜は家族との時間を大切にしたいので、早くしたりすることが出来ます。
ただし、コアタイム(必ず勤務していなければならない時間)の設定がある場合が多いです。フレックスを導入している会社でも、定例の会議があったり、顧客に合せて実際は時間の自由度があまりない場合もあるので、詳細は企業に確認をしましょう。 ▼裁量労働制とは?
こちらも最近よく耳にするようになりましたが、「裁量労働制」とは会社から決められた時間で働くのではなく、仕事の仕方や時間配分を自分で決定し働くことができる制度のことです。時間のルールに縛られることなく働くことが出来ますが、その反面、何時間働いても賃金は当初取決めを行った通りとなります。
簡単に言うと、「労働時間に対して賃金を払うのではなく、仕事に応じて賃金を支払います」というものですが、実際の平均労働時間や任せられる業務量など、事前にしっかりと確認する必要があります。

休日・休暇について

▼「完全週休2日制」と「週休2日制」の違いについて

違いを知らずに応募する方も多いと思いますが、「完全週休2日制」は、1週間のうちに必ず2日休める(年間を通しての計算)という意味で、「週休2日制」は、1ヶ月のうちに最低1週は2日休める週があるという意味になります。「完全週休2日制」の場合は、平日で2日休みの企業もあるので注意してください。
また、「週休2日制」の場合は具体的にどのくらい休みがあるのかを年間休日などから確認するようにしましょう。

その他の項目について

<未経験の業界・職種に応募する場合>
▼未経験でも応募可能なのか?
「MUST」と「WANT」を分けて確認する
募集の背景によって、必須条件の「MUST」と歓迎条件の「WANT」があります。まずは必須条件を自分が満たしているかを確認しましょう。未経験歓迎と記載があっても、「業界未経験歓迎」なのか「職種未経験歓迎」なのかなど、何が未経験でも可能なのかを確認し、自分が対象なのかを確認しましょう。

また、未経験で応募する場合は、少しでもこれまでの経験で活かせることがないかの、接点を探すことは非常に重要です。下記では仕事内容についての接点探しの一例をご紹介します。

▼仕事の内容を見てもイメージできない
未経験でチャレンジする場合、仕事の内容を見てもいまいちイメージできない場合もあるかと思います。そのような場合は、3W1Hを使って、仕事のイメージと自分の経験が活かせるかを確認しましょう。例えば、あなたが営業経験者で、必須条件の「営業経験」は満たしているが業界は全くの未経験の場合は、「どんな場所で?(会社)」、「何を?(商品)」、「誰に?(アプローチ先)」、「どうするのか?(どういった手法で営業を行うのか)」を整理するとイメージしやすくなります。商品が全く違っても、顧客の業界や担当部署が一致していた場合は、十分活かせる経験になります。
このように接点探しを行うことで、仕事のイメージがつきやすくなると思います。

▼「第二新卒歓迎」ってよく見かけるけど、その定義は?
基本的には「学校を卒業して3年以内」というように言われています。ただ、明確な定義はありませんので、自分が該当するかは、企業に直接聞いてみるのが良いかと思います。

最後に

求人情報を確認する上では、募集の背景などを始め、仕事の内容から求められていることを読み解き、自分の目指しているものとマッチしているかを見極めることが重要です。
また、求人情報に記載されていることで疑問に思ったことは、面接でちゃんと確認をし、疑問・懸念点は解消してから入社できるようにしましょう。内定を獲得することはもちろん大切ですが、その後の長い会社生活を考えると、自分のイメージ通りにやりがいを持って働くことが重要なので、自分の考え、譲れない軸はしっかりと伝え、マッチしているかを確認した方が良いかと思います。
ただ、求人情報からは求められているものが分からない場合や、面接時にネガティブな質問など聞きにくいこともあるかと思いますので、そのような場合は、エージェント会社をうまく利用して転職活動を行うことをおすすめします。企業が求めていることと、自分がやりたいことがマッチしているかを客観的に判断することも出来ますし、聞きにくい質問でも代わりに確認することが出来るからです。ぜひお気軽にご相談いただけますと幸いです。

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