求人情報の正しい読み方~福利厚生欄 編~

求人情報の正しい読み方
~福利厚生欄 編~

最近話題になっている福利厚生、今回は、福利厚生について詳しく紹介します。
福利厚生について知らない方もこのコラムを読めばすぐに分かります!

福利厚生とは?

企業側が給与や賞与とは別に提供する様々な制度やサービスのことを指します。企業によっては、待遇と呼ぶところもあるようです。これは社員の“生活の質の向上”を目的としていて、大きく分けると2つに分類されます。法律によって企業が提供を義務付けられている法定福利と、企業が任意で提供する法定外福利があります。

法定福利

法定福利は、法律で定められている福利厚生を指します。雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金保険、介護保険といった「社会保険料」のほかに、社員が仕事で怪我や病気をしてしまって働けなくなった場合の休業補償、児童を養育している人に支払われる児童手当、通勤や仕事中のケガなどに対して休業を補償する労働基準法上の休業補償などがあります。

法定外福利

法定外福利は、法定福利以外の企業独自の制度を指します。
例を挙げると、社宅・住宅手当・健康診断・社員食堂・会社保養所の利用・資格取得支援・結婚祝い金・慶弔見舞金・特別休暇など全て該当します。企業によって内容はさまざまです。

法定福利の「社会保険料」について

法定福利の「社会保険料」には、雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金保険、介護保険の5つがあります。下記では、法定福利の「社会保険料」についてご説明致します。

雇用保険

雇用保険は政府が管掌する強制保険制度です。
(労働者を雇用する事業は、原則として強制的に適用されます)

雇用保険は、

1.労働者が失業してその所得の源泉を喪失した場合、労働者について雇用の継続が困難となる事由が 生じた場合及び労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に、生活及び雇用の安定と就職の促 進のために失業等給付を支給

2.失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図るためのニ事業を実施する、雇用に関する総合的機能を有する制度です。
 

平成30年4月1日から平成31年3月31日までの雇用保険料率は以下の とおりです。

  • 失業等給付の保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに引き続き 3/1,000です。
    (農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業は 4/1,000です。)
  • 雇用保険二事業の保険料率(事業主のみ負担)も、引き続き 3/1,000です。
    (建設の事業は4/1,000です。)

ちなみに、平成29年1月1日より、65歳以上の方も雇用保険の適用対象となりました。

※厚生労働省職業安定局より

健康保険

日本国民が全員加入している公的医療保険です。代表的なものして、国民健康保険と健康保険(社会保険)の2つがありますが、
さらに健康保険(社会保険)も加入者の職種によって複数の保険に分かれています。

その中でも、健康保険は会社に勤める従業員や事業者の方が加入する保険です。

健康保険はさらに「組合けんぽ」と「協会けんぽ」に分かれていて、大企業などは独自の健康保険組合を設立していることが多く、各健康保険組合が運営する組合けんぽには、その企業の従業員や事業者が加入しています。

一方で、中小企業で働く方は、健康保険協会の運営する協会けんぽに加入することが一般的だと考えられます。

労災保険

労働者が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気に見舞われたり、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保護するため必要な保険給付を行うものです。
また、労働者の社会復帰等を図るための事業も行っています。
なお、労働者災害補償保険(一般に「労災保険」といいます。)雇用保険とを総称した言葉を労働保険と言います。

※厚生労働省より

厚生年金保険

会社などで働く人たちが加入する公的年金です。厚生年金保険に加入している人は、厚生年金保険の制度を通じて国民年金に加入する第2号被保険者に分類され、国民年金の給付である「基礎年金」に加えて、「厚生年金」を受けることとなります。

なお、公的年金には全部で3種類あり、日本国内に住所のあるすべての人が加入を義務づけられています。3種類の内訳は、その人の働き方により加入する年金制度が決まっています。

種類

制度 説明
国民年金 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人。
厚生年金 厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人。
共済年金 公務員・私立学校教職員など。

※厚生労働省より

介護保険

2000年4月に出来た制度です。

高齢者に介護が必要になった時に、住み慣れた地域や家庭で
自分らしく生活できるよう、また、介護をしている家族の負担が軽減されるように皆で保険を出し合って社会全体で介護を支え合う仕組みとして作られました。

法定外福利について

具体的には前述のとおり、住宅手当、家賃補助、社宅・独身寮、がん検診等の法定健康診断への上積み、法定の育児・介護休業への上積み、慶弔・災害見舞金、運動施設や保養所などの余暇施設、文化・体育・レクリエーション活動の支援、資格取得や自己啓発の支援、財形貯蓄制度、社内預金、社員食堂など、様々な制度があります。

企業によって、導入されている内容は異なり、応募する前に予め知っておくと企業を選ぶ一つの判断基準になると思います。
なお、各種手当に関しては、入社した時の年齢や家族構成によっても、対象になる場合・対象にならない場合がありますので、応募する際に金額が明記されていない時は事前に確認することを推奨しています。

将来的に長く就業していく場合には、法定外福利が充実していることは非常に大切な要素となる事項です。転職先を選択する際に、給与面や企業情報もとても大切なポイントではございますが、求人情報の「福利厚生」が整っているかもぜひ確認していただきたいポイントです。

最後に

転職時に”福利厚生”を重視する方も多いと思いますが、企業を選んだ際に「福利厚生が充実しているから御社を志望しました」と正直に伝えることはあまり得策ではありません。

理由としては、企業の事業内容や業務内容には興味がないのか、と思われてしまう可能性が高いからです。

企業側が福利厚生を充実させているのは、社員の生活向上に取り組んでおり、プライベートを充実させて、業績にも貢献してほしいという想いがあります。

その為、企業の福利厚生に惹かれた点はあくまできっかけとして、面接時には入社後いかに業績に貢献できるかという点をアピールしていただくとよいかと考えられます。

企業によって導入している法定外福利はさまざまです。是非企業へ応募する前に、求人票に記載されている福利厚生に関して、これまでご紹介したポイントを参考にしていただけると幸いです。

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