地元へのU・Iターン~嫁ターン編~
~嫁ターン編~
結婚をして、地元を離れて数年経った頃に妻から「地元に帰りたい」と言われた経験はありますか?
転居・転職など様々な問題があり、すぐに決められる問題でもないため、出来ればこのままでいたい、と思う男性も多いかと思います。
そういった悩みを抱える方向けに、妻の地元に移住するメリットなどをお伝え致します。
嫁ターンとは?
妻の実家に近い地域への転職・移住をする事を指します。転職活動などでよく聞く「Uターン」「Iターン」「Jターン」といった言い方を転用した言い方です。こういった転職に踏み切る理由には、妻の実家が行う家業を夫が継ぐため、または妻の実家に近い方が子育てがしやすいと判断したため等、様々な理由が挙げられます。
いずれにしてもライフスタイルを重視した転職・移住スタイルと言えます。
嫁ターンの現状
近年ますます、女性活躍という言葉をよく耳にするようになりましたが、まだまだ家庭内の家事・育児は女性がメインで行う家庭が多いのが現状です。こういったケースでは、妻の実家が近くにあった方が妻は自分の両親に気兼ねなく子供の世話をお願いする事が出来、仕事がしやすくなったり、妻の精神的な面を支える事にもなります。
また、妻の両親は孫の世話をする事で日々の楽しみも生まれますし、それが生きがいとなりより元気に日々を過ごされる事でしょう。そして何よりもそういった支えのもと、妻が機嫌よく、前向きな日々を送る事で、家庭も明るく、夫婦間のコミュニケーションも円滑にいきやすくなるかもしれません。
特に20代後半~30代にかけてご家庭をお持ちの男性がこういったケースで転職する事はとても増えています。就学前のお子様がいる若い家庭や、結婚を考えて交際中の女性の地元へ転職するケースもあるようです。
嫁ターンのメリット
下記では、嫁ターンの4つのメリットについてご紹介します。
▼妻のストレスが溜まりにくい
夫にとってこの部分は非常に大きなメリットだと感じる方が多いようです。主婦をされている方はじめ、多くの女性は日ごろの出来事や子供の事など、色々な話を誰かに聞いてもらう事でストレスを発散したり、気持ちの切り替えを行っています。
特に主婦でお子様がいるご家庭で近くに実家が無い場合は身近に気軽に話が出来る存在が夫だけ…というパターンも少なくありません。
家事育児に追われ、ようやく子供も寝た頃に帰ってきた夫に話を聞いてもらう事、それが妻にとって一日の小さな楽しみだったりするものです。
しかし男性は「うんうん」と妻の話を聞くのが苦手な方も多いようです。
きっと男性あるあるですが、興味がない話だと早く切り上げてしまうか、適当に相槌を打ちながら聞いている…という事もあるのではないでしょうか。実はこういった事は、妻は気づいている事が多いのです。
「妻は話を聞いて欲しいのに聞いてもらえない、適当に扱われる」
「夫は興味の無い事に対して興味があるふりをしなければならない」
これって一見小さな事ですが、少しづつストレスの溜まる行為です。
ある時急に妻の怒りが爆発した…なんて事も良く聞きます。
このストレスの原因は「妻の居場所が複数に分かれていない事」が挙げられます。
夫に話をしてもなかなか伝わらない事は、自然と友人や家族に話す事で発散されます。
こういった小さいストレスを抱え込まないためにも、気の許せる家族が近くにいる、というのは非常に重要な事です。
▼夫のやりたい事がやりやすい環境になる
これは上記に記載した、妻のストレスが溜まりにくい環境になった事から生まれるメリットです。
妻も地元の友人や、家族と過ごす時間が増えたりと、今まで夫と一緒にいた時間をうまく活用して活き活きとした生活を送るようになると、自然と夫の自由な時間が増える事になります。
特に20~30代で仕事に対してもやりがいを見出してきたタイミングで資格取得や読書などやりたい事が増える男性も多いです。
転職を機に新しい事にチャレンジする中で学ばなければいけない事が増えるタイミングでもあります。こういったケースで、夫にも良い意味で自由な時間が出来、お互いの生活がより充実したという意見も多数あります。逆に夫婦で過ごす時間が減ったからこそ、一緒にいる時間を大切にする事で夫婦間の関係性も良くなったというケースもあります。
都会で生まれ育った夫が九州などの地方に転職し、今まで経験した事のない環境で新しい事にチャレンジし、仕事の面でも張り合いが出て転職する前よりも公私ともに上手くいった…なんて事もあるようです。
▼子供が生まれた時に楽
妻の実家が近くにある、という事は子供が生まれるともっと大きなメリットになります。
いくら夫のお母さんと仲が良くても、子供の事を何でもお願いしてしまうのは妻にとっても気が引ける事。特にしっかりとした母親でなければ、と思う人ほど1人で抱え込んでしまいます。
自分のお母さんなら余計な遠慮をしなくて済むので、妻はとても楽でしょう。
移住するとしても転職が出来るか不安…
前述では嫁ターンをする事によるメリットをお伝え致しました。様々な条件を考慮して嫁ターンを前向きに検討し始めたあなたをはじめ、最初に立ちはだかる不安要素は「転職出来るのかどうか」ではないでしょうか。仕事が無ければ、そもそも生活が出来ません。
一番重要なのは「仕事を決めてから妻の地元に転居する」という事です。妻の地元が都会であれば、仕事を見つけやすいかもしれませんが、地方の場合はそもそもの求人数自体が少なく選択肢が限られている…というケースもあります。
特に東京など中心都市で勤務されている方で本部機能に関わる仕事をされている方はそもそもその職種自体が地方にはない…という事も稀にございます。転居してから転職活動を始めたら、仕事が全く見つからないといった事態を招かないように注意が必要です。
また、現職と同様の仕事内容であっても地方の場合、収入面に大きな差が生まれるケースがございます。まずは現在の収入と、転職する予定の地域の平均年収を調べる必要がございます。
それを踏まえて年収が下がった場合に何を節約しなければならないのか、などを夫婦間で話合う必要がございます。
そもそも試算した結果、転職して年収が下がる事で生活に大きな支障が出てしまう場合は今は転職のタイミングではないのかもしれません。
妻の気持ちも大切ですが、気持ちが固まり始めたタイミングで現実的な部分をしっかり話し合いましょう。
地方への転職で、生活面でのメリットも大きい
特にこの嫁ターンで多いケースが「都会から地方へ」転職をするパターンです。その中でも、仕事内容だけでなく生活環境が変わった事で得られるメリットもございます。
今回は嫁ターンで東京から福岡にIターンをした男性のケースをご紹介致します。
~東京から福岡へ転職したAさんのケース~
・通勤時間が1時間半から30分以内に。
東京都内の企業に勤めていたAさんは毎日片道1時間半かけて通勤をしていました。特に雨の日など、電車が遅れてしまった場合などは通勤に2時間かかってしまう事もよくあったそうです。
それが福岡に転職後は通勤時間がドアtoドアで30分程度になり、通勤時間だけでも約2時間もの時間を削減する事が出来たそうです。今までは帰宅したらすでに子供は就寝しており、朝は子供が起きる前に出社する…そんな日々だったそうですが、現在は晩御飯を一緒に取ったりと家族で過ごす時間が増えたそうです。
このように、福岡を例にしますと通勤・通学時間の片道平均は34.5分と非常に短いのが特徴です。
また、朝の通勤ラッシュ時の電車内の混み具合も関東に比べるとかなり緩和され、通勤時のストレスもかなり違うそうです。
・住宅家賃は東京の6割
地方への転職でもう一つの大きなメリットは物価の安さです。特にそれが顕著に表れるのが住宅家賃です。
Aさんは関東在住時には3LDKで約18万円ほどの家賃の物件に住んでいたそうです。
それが福岡に移住後は同程度の広さの住居で家賃が約7.8万円ほどになったそうです。
(※住む地域、住居の条件などで変動する場合もございます)
生活費の多くを占める家賃が大幅に減る事で家庭への負担も減らせるのは大きなメリットです。
このように、嫁ターンと聞くと一見、妻にしかメリットが無いのでは…と心配される男性もいますが、それ以外のメリットもたくさんございます。結果的に来てよかった!と思える転職をするために、妻の地元の地域情報を事前に調べておくのも非常に大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
嫁ターンと聞くと妻にしかメリットが無いように聞こえてしまいますが、実は夫にとってもたくさんの良い事があるのです。
特に20代~30代は自分の事だけでなく家族の事を考えて転職を検討される方が多い年齢層でもあります。
そのため、必然的に大きく仕事や環境を変える必要が出てくる方も多いのが特徴です。
特に、嫁ターンでは多くの夫が「知らない土地」に転居・転職をするケースですので、よりたくさんの情報を集めなければ転職に失敗してしまった…と後悔するかもしれません。
その為にも、情報収集・転職先の選び方が非常に重要になってきます。
しかし、自分ひとりで情報収集が出来るのか、良い条件の会社へ転職できるのか?と不安を抱く方も多いでしょう。
そんな人は転職エージェントへの登録を検討してみてください。転職エージェントを利用する事で事前にどういった条件で転職をしたいのか、を伝え、その条件に沿った求人を紹介してもらう事が出来ます。
また、条件交渉などもエージェントが代行してくれます。
特に転職市場に関する情報や自分自身の市場価値についてなど、転職に有益な情報をたくさん伝えてもらえます。地方のエージェントですと、その土地の特徴や情報を持っている会社も多数ございます。そういった情報を集める事も有利な転職活動を行う第一歩です。
転職とは、自分自身にとっても家族にとっても人生の大きなターニングポイントです。家族単位で転職を考える事が出来れば、転職後のライフスタイルは今よりもとっても豊になるはずです。