在職中に転職活動をするコツ
転職活動は、自己分析から始まり、企業探し、履歴書・職務経歴書などの応募書類の作成や面接等の準備、内定先決定後の事務的な手続きなど、すべきことが沢山あります。在職中に転職活動を進める人、退職後に転職活動を始める人など、転職活動の方法は人により様々です。
離職中の転職活動と比べながら、在職中の転職活動のメリット・デメリットをみていきましょう。
在職中に転職活動を行うメリット
企業の人事担当者に与える印象が良い
退職後から転職活動を行うと、職歴にブランクが空いてしまいます。転職のための離職期間であるとはいえ、ブランクがあることで退職理由に疑問を持たれたり、仕事への耐性が無いと思われたり、書類選考段階で不利にはたらいてしまうことがあります。
≪在職中の場合≫
在職中に転職活動を行うことで、現職の仕事を投げ出さない「責任感」や、時間の無い在職中でも転職活動を進めることができる「計画性」を書類上でアピールができます。
収入面で安定し、経済的に余裕がある
転職活動中は、思わぬ出費が発生します。面接に向かう際の交通費をはじめ、書類印刷代、証明写真撮影代、スーツやシャツなどのなどの衣服代…など、一つずつ見れば大きな出費には見えませんが、積み重なることで生活を圧迫しかねません。
万が一、思うように理想の転職先が見つからず転職活動が長引けば、離職中の場合、貯金を切り崩して生活していたとしても徐々に焦りも出てきます。焦りから妥協して入社を決めてしまうと、「こんなはずじゃなかった…。」「もう少し慎重に条件を見たら良かった…」と、転職活動を後悔することになってしまうかもしれません。
≪在職中の場合≫
収入が途切れることが無いため、納得できるまで転職先を探すことができます。転職活動を行う中で、転職すること自体を悩んでしまった時も、一旦ストップして考え直すこともできます。
※失業保険があるため問題ないと考える人もいますが、失業保険はすぐに受け取れるものではないため、特に離職中に転職活動を行う際は、貯蓄や節約が必須となります。
在職中に転職活動を行うデメリット
時間がとにかく無い
企業探し、書類作成、面接など転職活動を行うには時間がかかります。休日に採用面接を実施してくれる企業ばかりではありませんので、平日に面接に行くために会社を休んだり、抜けたりしなければなりません。
有給休暇が取りにくい場合や急な残業が多い場合は、思うように選考を進めることができず転職活動自体が長期化してしまう可能性もあります。
勤務開始日が採用の際にネックとなる場合がある
募集を行っている企業の中には、今すぐにでも人材がほしいという企業も少なくありません。そのような会社にとっては、引継ぎや事務処理で入社まで時間がかかってしまう「在職中」であるということが、ネックになってしまう可能性があります。
現職の会社に転職活動がバレてしまう
在職中に転職活動を行うことは禁止されていることではありません。ただし、入社が確定していない場合、すぐに現職の会社を辞めるわけではなく退職まで1ヶ月~数か月かかる場合もあります。上司や同僚に転職活動をしていることがバレてしまうことで、仕事がやりづらくなり気まずい数か月を過ごすことはできるだけ避けたいと思う人は多いでしょう。
≪会社に転職活動がバレる例≫
・ 同僚に転職活動をしていることをバラされる
同僚にこっそり転職活動をしていることを相談したつもりが、気付いた時には上司にまで伝わっていた、という話はよく耳にすることです。仲の良い同僚であっても、退職が確定するまでは秘密にしておいた方がよいでしょう。
・ 普段と違う様子から勘付かれる
普段は私服で出勤しているのにスーツで出勤することが増えた、終電で帰ることが大半だったのに定時帰宅や早退が増えた、など普段とは違う行動で周囲から勘付かれることも。
このように在職中の転職活動と離職中の転職活動には一長一短があります。
ただし、いつ終わるか分からない転職活動を、退職後から始めることは大きなリスクが伴います。
それに対し、在職中のデメリットは、コツを掴んで効率的に動くことで克服することができます。
転職先を妥協せずにじっくり選び、転職を成功させるためにも“在職中の転職活動”をおすすめします。
それでは、具体的なコツとはどのようなものなのか見ていきましょう。
在職中に転職活動をするコツ
企業探しは“こっそり”と
転職活動の一歩目の企業探しは、「こっそり」と行うことが鉄則です。インターネットで企業や求人を探す際は、自宅のパソコンやインターネットカフェを利用しましょう。
- 会社パソコンを使うと管理者から履歴を見られ、バレる可能性があります。
- 会社のWi-fiをつないで、自身のスマートフォン・パソコンから転職サイトを見るのもネットワーク履歴や履歴を見られてしまう可能性があるため、NGです。
印刷した求人情報や履歴書・職務経歴書を鞄に入れて持ち歩く際も、封筒に入れておくなど細心の注意を払っている人もいるほどです。
企業とのやり取りも“こっそり”と
企業担当やエージェント会社とのやりとりは、私用の携帯電話やメールアドレスを使うことが大切です。基本的に社内にいるときは転職に関するやり取りをしない方が安全でしょう。
ただし、急に選考結果などの電話がかかってきた時は、社外やトイレ、屋上で電話をするなど、うっかり電話の内容を聞かれてバレてしまうことを避けましょう。
面接を受ける時も“こっそり”と
書類選考までは勤務時間外に自宅でも進めることができますが、会社を抜け出さなければならない「面接」は最大の難関です。外回りの時間や昼休み、有給を使うことで在職中でも面接を受けることは可能です。
ただし、どうしても抜けられない場合は、事前に伝え、勤務時間外や休日に対応してもらえるか確認してみましょう。企業によっては土曜や夜の遅い時間に面接を実施するケースもあります。
休日・有給なども利用しながら、計画的に選考スケジュールを立てて進めていきましょう。
転職意志が薄れることを阻止する
在職中は収入面からも安定した転職活動を行うことができますが、この安定により転職意志が鈍化してしまう可能性もあります。転職活動中に現職の業務が忙しくなれば、転職活動につかう時間とパワーが削られてしまい、転職自体を諦めてしまうことも考えられます。
転職したい理由が明確なのであれば、転職意志を保つことが大切です。5分でも企業探しをしたり、書類提出をしたりと、転職活動を停止しない”ことを心がけましょう。だらだらと転職活動を長引かせることは、現職の仕事にも影響しかねないため、できるだけ避けた方がよいでしょう。
在職中の会社をおろそかにしない
●会社は優秀な人材であればあるほど引き留めようとするものです。上司からの引き留めや説得があり、退職の話が進まないこともあるかもしれません。ここでイライラせず、真摯に退職の意思を伝えましょう。「もうすぐやめる会社だから」と投げやりになり、現職中の会社で揉めることは精神的負担になりますので、できるだけ真摯な対応を心がけることが大切です。
●時間がかかる転職活動。自分の時間を確保し、現職の会社に迷惑をかけないように繁忙期や年度末など会社の忙しい時期に転職活動や退職をすることは避けた方がよいでしょう。引継ぎもしっかりと時間をかけて行えるよう事前準備・計画をしていくことが大切です。
まとめ(もう一つのコツ)
このように、仕事をしながら転職活動をすることはデメリットもありますが、コツさえ掴んで転職活動を行うことができれば、転職活動を成功させることができます
ただ、中には「会社にバレないよう一人で転職活動を進めながら、現職中の仕事もしっかりと行うなんてできるのか不安」という方もいると思います。そんな方におすすめのもう一つのコツは、“転職エージェントを利用する”ことです。
◎転職エージェントを利用するメリット
●条件を伝えることで継続して仕事を紹介してもらえる
面談時に経歴や希望している条件を伝えることで、該当する求人を継続して紹介してもらうことができます。自分で仕事を探す手間を省け、インターネット上に出ていない求人に出会うこともあります。
●会社にバレる可能性が低くなる
転職エージェントに登録した後は、選考中の企業とのやり取りは基本的に転職エージェントの担当者が行います。登録時に連絡が可能な時間帯を伝えておくことで、急な連絡でうっかりバレてしまうことを避けることができます。
●求人内容を細かく確認できる
企業とのやり取りは転職エージェントの担当者が行うため、企業には直接は聞きにくい条件・募集背景など不安点を細かく確認することができます。不安点があれば、小さなことでも尋ねてみましょう。
●「向いている仕事」をしっかりと把握できる
客観的な視点でも面談を受けることができますので、自己分析と併せて自分の向いている仕事をしっかりと把握できます。
●モチベーションを保ち続けやすい
在職中はとにかく時間が無く、精神的にも余裕が無くなりやすいため、一人で転職へのモチベーションを保ち続けることは至難の業です。転職エージェントでは担当がつき一緒に選考を進めていきます。時には転職活動に対する相談を行いモチベーションを保ちながら転職活動を行うことができます。
このように転職エージェントを利用することは、“転職活動のコツを掴むコツ”です。
転職エージェントは無料でサービスを受けることができますので、少しでも転職活動に不安を抱えている方やより納得のいく転職をしたいと感じている方は、一度登録してみてはいかがしょうか。