地元へのUターン~嫁ブロック編~

地元へのUターン
~嫁ブロック編~

嫁ブロックという言葉をご存知ですか?
嫁ブロックを十分に理解することで、地元へのUターン成功の確立を高めることができます。
今回は嫁ブロックについて紹介させていただきます。

嫁ブロックとは?

「嫁ブロック」とは、既婚の男性が奥さんに転職や独立を反対、阻止(ブロック)される事を指します。
元々は企業の人事担当者(採用担当)やヘッドハンター等が使っていた業界用語であり、企業が内定を出しても奥さんの「ブロック」で採用に失敗する事を言いました。
それが最近の転職市場の拡大により、徐々に一般にも「嫁ブロック」という言葉が浸透するようになりました。

ある市場調査では、35歳以上の転職を希望する男性の4人に1人が「嫁ブロック」を受けた経験があり、その内の半数近くが「嫁ブロック」を理由に内定を辞退した事が分かったそうです。転職とは一見、自分自身だけの問題のように見えますが、このように既婚の男性からすると転職は「家族ぐるみ」で行う事が良い転職をするポイントと言えるでしょう。
転職活動においては家族・妻への相談や同意を得ながら進める事が重要である事が分かります。

転職についての意見が食い違った事から、最悪離婚というケースになる事も…。転職は成功したがプライベートでは失敗、という結果を防ぐためにも正しい対策が必要です。

なぜ妻が夫の転職に反対するのか

転職を検討するにあたり、なぜ妻が夫の転職に反対するのか、まずは妻の気持ちを知る事が非常に重要です。主に、妻が夫の転職を反対する理由は以下の5点です。

①収入が前職よりも下がる

最も妻が懸念するポイントに上がるのが、この「収入」に関する事項です。収入が減ってしまう事を理由に転職に反対をする妻は非常に多いです。特に収入が減る事による妻が感じる懸念事項は次のような事が挙げられます。

・生活水準が下がる
・子供がいる
・住宅購入を検討している(または購入している)
・住宅やマイカーなど、ローン契約をしている

「収入が減る」と、言葉では簡単ですが実際に現在の生活水準を下げるのは簡単ではありません。特に夫婦2人ではなく、お子様がいる家庭ではさらに難しくなるでしょう。特にお子様がいる場合は育児費が占める割合も大きいため、収入が下がってしまう事に不安を感じる妻も多いです。お子様が大きくなるにつれ、受験の問題や習い事などお金に関する心配事が増えますので、慎重になる妻も少なくありません。それにプラスして住宅やマイカーの購入を検討する家庭も増えますので、転職に慎重になるケースが多いようです。

②福利厚生が転職前に比べて劣る

特に収入に直結する住宅手当や家族手当などの福利厚生は、妻にとって家計の支えの一つです。
そういった事もあり、転職先の企業の福利厚生が現職よりも劣ってしまう場合、妻が転職を承諾しないケースも増えてしまいます。
また、住宅手当や家族手当だけでなく、「医療品や保険料の団体割引」や「社食」の有無なども挙げられます。中には会社で保有する保養所が自由に利用できる企業などもありますので、そういった娯楽に関連するものが使えなくなる事に対して不満を抱く妻も少なくありません。

③残業時間の増加・休日が減少する

こちらの項目も収入面に関連する事項ですが、残業代や休日手当が出ない、残業時間・休日出勤の増加など、勤務条件の悪化は妻が転職に反対する理由に大きく影響します。
サービス残業やみなし残業が多くなると、妻は夫の健康面に対して心配をするものです。最近では残業時間の過多による過労死などのニュースを目にする機会もありますので、残業時間が増える事に対して大きな不安を抱く可能性があります。
また、休日数の減少によりお子様と過ごせる時間が減る事に対しての不安を抱く妻もいます。

④勤務地が変わる

現在の勤務地から、転職先の企業の勤務地が遠い場合、引っ越しが必要になるケースもあります。
特にUターン・Iターンで転職を検討している方が嫁ブロックを受けるケースで最も多いのがこの「勤務地」問題です。妻も働いている共働きの家庭の場合、転居を伴う転職は場合によっては妻が退職せざるを得ないケースも多くあります。妻が退職しやすい状況であれば問題ありませんが、妻も夫同様に責任あるポジションにて仕事をしている場合や、その仕事に非常にやりがいを持って従事している場合は特に妻が退職する事に対して難色を示すケースもあります。
また、お子様がいる家庭はお子様も転園、転校が必要になるケースも。慣れない環境へ順応出来るのか、新しい土地で新しい交友関係を築く事は出来るのか…自分自身の事以上にお子様の事に関しては慎重になる事もあります。それ以外にも、転居した結果、夫の通勤時間が延びるケースもあり、夫の体調がとても不安という方もいます。

⑤会社の規模が小さくなる

東京から地方への転職など、Uターン・Iターン転職で多く発生するのがこのケースです。転職先の企業が前職と比べて規模が小さい、知名度が低いなど劣ってしまう場合、仕事内容に関係なく妻が不安を抱く事もあります。
また、中には「夫が勤務する企業の規模や知名度=妻のステータス」と考える妻の場合は、会社の規模が小さくなったりする事で「自分自身の価値が下がってしまう」と感じる場合もあるそうです。

⑥その他の場合

以上の5ポイント以外にも、夫の事を気遣うが故に妻が転職に反対するケースもあります。
例えば、「転職先の企業の良い噂を聞かない」や、「仕事にやりがいを感じる事が出来ないのではないか」といったポイントです。「嫁ブロック」という行動は、元をたどれば家族や夫を心配する気持ちが表れているパターンが多いようです。決してやみくもに転職に反対している訳ではないのです。

「嫁ブロック」を回避するために事前に妻に伝えるべき事

前述でも記載した通り、「嫁ブロック」は夫を心配しているが故に発生するケースが多いです。そのため、転職を検討する際はしっかりと妻に転職について相談する必要があります。
その際に重要な「伝えるべきポイント」をご紹介致します。

~9つのポイント~
①年収の変動
②勤務地  
③転勤について
④福利厚生の詳細
⑤休日数
⑥労働時間(残業時間)
⑦将来のキャリアプラン
⑧転職の理由
⑨転職する事のメリット

転職を反対する理由で1番に挙がってくるほどに「収入」についての情報を気にする妻は多いです。
まず、応募する際や企業から内定が出た際などにしっかりと収入についての詳細を伝える事が重要です。その際は次のポイントをまとめた上で、収入面について妻にしっかりと説明しましょう。

~収入面で重要なポイント~
・月額基本給(+固定残業代)
・時間外勤務手当
(残業代・休日出勤手当)

・賞与

特に現職よりも年収が下がってしまう場合は、将来的にどれくらい年収が上がる見込みがあるのか、というポイントも加えて説明すると良いでしょう。中には初年度の年収は現職よりも下がるが、現職よりも昇給率が高い会社、インセンティブ賞与が発生する会社など将来的な事を考えると年収が上がる場合もあるでしょう。今現在の条件だけでなく、将来的な見込みも踏まえて伝える事で妻の不安も解消される可能性が高くなります。

また、収入面に加えて勤務地・労働時間・休日日数など、その他の勤務条件もしっかり説明をしてください。住みたい街ランキング上位にも上がる福岡県などはIターンで転職を検討する方も多いため、その土地の良い所(子育てがしやすい、物価が安いなど…)を具体的に伝える事で勤務地が変わる事に対しての不安を和らげる事が出来ます。

そして、一番大切なポイントがあります。それは「なぜ転職したいのか」「転職後にどういった事がメリットになるのか」というポイントを伝える事です。心配しているが故に反対する妻もいるように、やみくもに転職に反対している訳ではありません。まずあなたの気持ちをしっかりと丁寧に伝えてください。何より妻が望むのはやりがいを持って前向きに仕事に取り組むあなたの姿を見る事です。加えて、転職後のメリットについてしっかりと説明するのも非常に有効です。「収入が増える」「通勤時間が減る」「残業・休日出勤が減る」など…。残業時間が減る事、休日出勤が減る事で家族と過ごす時間が増える事は妻にとって嬉しい事です。転職におけるメリットをしっかり伝える事を忘れないでください。
また、在職中に転職するのか、退職後に転職をするのかも妻としっかりと話し合いましょう。

内定後では遅い?!嫁ブロックを未然に防ぐタイミング

上記では、主に内定後に妻に相談する場合のポイントを挙げました。しかし、それよりも前に嫁ブロックを未然に防ぐ方法があります。
それは「転職を検討している段階でしっかりと妻に相談する事」です。そんなのは当たり前だろう、という方もいるかと思いますが、意外と「転職活動を開始した後に妻に伝えた」「内定が出た段階で相談した」という男性が多いのです。嫁ブロックにおいて、最も大きな要因は転職を相談しないまま進めてしまう事だったのです。妻は一緒に家庭を支える大切なパートナーです。転職という人生でも大きなターニングポイントとなるイベントを相談も無く進められると、妻としてはとてもショックが大きいのです。中には妻に心配を掛けたくないなど、良かれと思って伝えない男性もいるようですが、実は逆なのです。
実際に転職をして働くのは夫自身ですが、転職によって生じる家族や妻への負担や影響を考えると、転職において妻の意見は絶対に無視出来ない大きな要素です。
さらに、妻からすると「大切な事なのに相談すらしてくれなかった」という事実にショックを受け、転職を反対するケースもあります。
また、Uターン・Iターン転職など環境が大きく変化する場合に相談が無ければ、夫婦間の関係性の悪化にも繋がりかねません。対話を大切にして、「夫の転職したい理由が実現できる会社」「妻の不安を払拭できる転職先」に折り合いをつけましょう。
要は日ごろからのコミュニケーション・信頼関係がとても重要になるのです。

嫁ブロックが発動したタイミングは夫婦が話し合うチャンスです。

やりたい事を実現出来そうな会社がようやく見つかったのに、嫁ブロックを受けてしまった…など、嫁ブロックに対して「分かってくれない」と退けるのは簡単ですが、ここで少し見方を変えてみましょう。自分自身の性格や考え方の癖を良く見て、良く理解してくれている存在が「妻」です。

細かい仕事の内容について理解が出来なくても、「今の仕事が本当は好きなのに、良い結果が出なかった事に対して一時的に落胆している」「友人が転職したという話を聞いて転職したい気持ちになっただけ」など、夫の性格を踏まえて「今は転職すべきでない」と判断して転職に反対している可能性は無いでしょうか?

夫婦一緒により良い未来を描きたいと思っているが故に「即決は避けたい」と感じる妻も多いため、しっかりと話し合いをして結論を出す事が重要です。転職をしてから後悔をしては遅いのです。
お子様がいたりする家庭はすれ違いも多くなり、じっくりとお互いに話をする時間も少なくなってきます。「転職」をきっかけに将来の事、家庭について話し合う時間を持つ事で夫婦間の関係性がより良くなる事も多いです。自分の事を心から親身になって考えてくれる存在が近くにいる事はとてもありがたい事なのだという事を忘れずに今一度、話し合いをしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

嫁ブロックと聞くとマイナスな印象を受けますが、冷静に考えてみると妻の反応は当然の事でもあります。特に転職を考えている方は「現状から脱出する事」を一番に考えがちです。

しかし、一番近くで客観的に物事を見ているのはその妻であるため、転職に関して冷静な評価も下します。
逆に言うと、嫁ブロックに対して対策が出来ている、妻の不安に対して明確な回答が出来る転職であれば成功する可能性が高いという事です。
その為にも、転職先の選び方が非常に重要になってきます。
しかし、自分ひとりで今より良い条件の会社へ転職できるのか?と不安を抱く方も多いでしょう。

そんな人は転職エージェントへの登録を検討してみてください。
転職エージェントを利用する事で事前にどういった条件で転職をしたいのか、を伝え、その条件に沿った求人を紹介してもらう事が出来ます。

また、条件交渉などもエージェントが代行してくれます。特に転職市場に関する情報や自分自身の市場価値についてなど、転職に有益な情報をたくさん伝えてもらえます。そういった情報を集める事も有利な転職活動を行う第一歩です。転職とは、自分自身にとっても家族にとっても人生の大きなターニングポイントです。家族単位で転職を考える事が出来れば、転職後のライフスタイルは今よりもとっても豊になるはずです。

関連コンテンツ

ページトップへ戻る

page top