履歴書の書き方編 ~これから転職活動をお考えの方へ~

はじめに・・・

「今よりもキャリアアップしたい」「違う仕事に挑戦してみたい」「地元へUターンしたい、九州へIターンしたい」年功序列制度が重んじられたり、職歴1社で40年勤める事が一つの評価であった昔に比べ、現代は経験社数が2社、3社と転職活動が当たり前な時代になってきている昨今、実際に転職活動をされる方の背景や理由は多岐に渡ります。

転職活動を始める際に、まず最初にやるべき事は履歴書・職務経歴書と呼ばれるいわゆる転職書類を準備する事から開始します。その際に、企業側(書類提出先)が魅力に感じるような書き方、ポイントなどをお伝え致します。

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【全体的なポイント】
履歴書全体を通して、文字の開始位置や大きさ、フォント、余白を揃えると整って見えます。

基本情報欄

1:日付

  • 提出日か前日の日付を記入(郵送の場合は投函日)
  • 面接に持参する場合は当日の日付を記入
  • 履歴書全体で西暦表記または元号表記(平成・昭和等)かを統一

2:写真

  • サイズは横2.4〜3cm、縦3.6〜4cm、3カ月以内に撮影した物を準備
  • カラーで正面から撮影され、本人単身で胸から上が写っているもの
  • 好印象を与える表情、服装に気を配る
  • 書き損じることもあるので、写真は最後に貼る
  • 万一剥がれた場合に備え、写真の裏には名前を記入

3:氏名

  • 姓と名にスペースを空けて読みやすくする
  • ふりがなは履歴書の書き方に合わせる
    ※(「ふりがな」はひらがな、「フリガナ」はカタカナで記入)

4:年齢

  • 送付時点(履歴書に記入した日付)の年齢を記入

5:住所

  • 都道府県から省略せずに記入
  • 郵便番号、マンション名、ふりがな等も忘れずに記入
  • 「連絡先」欄は現住所と異なる場合のみ記入(変更ない場合は「同上」でも可)

6:電話番号

  • 自宅に固定電話がない場合は、携帯電話のみを記載
  • 日中連絡がつきやすい番号を記入

7:メールアドレス

  • 会社用アドレスは控える
  • 携帯アドレスを記入しない場合は、スマートフォンや外部のパソコンでも
    迅速な確認ができるよう、フリーアドレス等を取得し記入する

▶ 採用人事担当者による注視ポイント

履歴書の写真から仕事の意欲や性格といった人物像をイメージする採用人事担当者もおりますので、好印象を与える表情、服装に気を配りましょう。口角が上がり、目をやや大きく広げていると、やる気や積極性を感じます。逆に口角が下がり、伏し目ですと、意欲や自信がない印象を与えます。服装はダークスーツであれば、ネクタイを明るめにすると、熱意や行動力のある応募者のようなイメージを持ちます。前髪が下がっていると暗い印象を与えることがあるので注意が必要です。撮影は、スピード写真ではなく、写真スタジオで行うと真摯な姿勢をイメージされ、写りの見栄えも大きく変わります。

学歴・職歴欄

1:学歴

  • 履歴書全体で西暦表記または元号表記(平成・昭和等)かを統一
  • 高校、専門学校などから記入(義務教育については書かなくても可)
  • 学部・学科・コース名などを記入し、応募職種で生かせる専攻・研究テーマがある場合はさらに詳細に記入
  • 学校名は、略さず正式名称で記入し、「高校」ではなく「高等学校」と書く

2:職歴

  • 履歴書全体で西暦表記または元号表記(平成・昭和等)かを統一
  • 時系列に記入し、会社名は略さず正式名称で記入
  • 会社名の横か次の行に業種と従業員数を書き、簡単な職務内容を記入
  • 応募書類に関する職務内容があれば強調して記入
  • 異動等で部署が変わっている場合、その部署名・異動年月を記入
  • 企業の合併・買収等で社名が変わった場合は、××株式会社(現○○株式会社)と記入
  • 現職の企業の退職日が決まっている場合は「平成×年×月 株式会社○○ 退職予定」と記入
  • 最終行に「現在に至る」と記入し、その下の行に右寄せで「以上」と記入
  • 職歴が書ききれない場合、履歴書にはある程度まで職歴を書き、「詳細は職務経歴書記入」としても可

▶ 採用人事担当者による注視ポイント

過去の職歴から「自社で活躍出来そうな人材か」を採用人事担当者は見極めます。
また、転職回数や前職が円満に退職できたかで、自社に定着できるかをチェックします。前職を離職後何らかの事情でブランクがある場合、再就職前にスキルアップのために何を行ったのか1〜2行で記載すると良いです。

免許・資格欄

1:免許・資格

  • 最初に免許を書き、次に資格を記入
  • 履歴書全体で西暦表記または元号表記(平成・昭和等)かを統一
  • 免許・資格は正式名称で記入
    ※よくある免許・資格の記入例
    自動車免許:普通自動車第一種運転免許(AT限定)
    英検:実用英語技能検定●級
    漢検:日本漢字能力検定
    宅建:宅地建物取引主任者
    日商簿記:日商簿記検定試験●級、日本商工会議所簿記検定試験●級
    FP:●級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 業務に関連する資格は漏れなく記入
    ※現在習得のために勉強中のものも記入
  • 取得時から、資格の名称が変わっている場合、取得時の資格名を記入

▶ 採用人事担当者による注視ポイント

応募企業に関連性のない資格や免許が記入されていると、採用人事担当者は応募者の志向に疑問を持つことがあります。たくさんの資格を持っている場合、アピールしたい内容に沿って応募職種で生かせる資格のみ記入すると良いです。必要とする資格や免許であれば、取得に向けて自己啓発をしていることや取得予定時期を記入しましょう。

志望動機欄

履歴書などの応募書類において、志望動機や志望理由はスキルや経験を生かせる「職務経歴の強み」と、応募企業だからこそキャリア目標が実現できるという「企業への想い」という2つのことを説明する必要があります。
しかし、履歴書などの応募書類でどちらか一方のみのアピールしている方が多いと見受けられます。

「なぜ当社なのか?」という採用担当者の疑問に答えられなければ、優秀なキャリアがあったとしても、インパクトの弱い志望動機になってしまいます。経験があるというだけでは、応募企業と他社との差別化ができず、技術を習得できるという志望動機は、企業は学校ではないと考える採用人事担当者もおります。
一方で、応募企業に対して熱烈なラブコールを示しても、経験やスキルなどが企業側の求める人材とマッチしていなければ、「あこがれ」だけの志望動機になってしまいます。

この事から、志望動機は、応募企業に向けた独自性のあるものを作成する工夫が必要です。個人のキャリア目標は変わらなくても、企業によって求める人材が異なりますので、応募企業に特化したキャリアの強みと貢献できる業務を強調した書き方に工夫することがポイントです。
企業の情報収集はもちろん、求人情報から求められる能力を把握し、入社後の自分の活躍する姿をイメージしながら、採用担当者にアピールする事をお薦めします。

採用人事担当者は、多くの会社の中から「(当社で)具体的に何がしたいのか?」「(当社で)何ができるのか?」「(当社に)入社したいと考える理由」などから、自社の採用ニーズにマッチした人材なのかを見極めたいと考えています。志望動機にはその答えとなる内容を盛り込むことが重要になります。

本人希望欄

1:趣味・特技

  • 面接で話題になる事もあるので、空欄にしない
  • 趣味や特技から話が弾むこともあるので、単に興味があるものでも記入する
  • 趣味が多いことで趣味を優先する応募者だと受け取られる可能性もあるので、絞り込んで記入する

2:本人希望欄

  • 待遇面などについては原則「貴社規定に準じます」「貴社規定でお願い致します」と記入
  • 複数職種を募集している企業の場合、希望職種を書いておく
  • 勤務時間の制限などがある場合は、現在態勢を整えるべく努力している等、加筆して仕事の意欲を示す

3:通勤時間

  • 転職では通常90分以内が通勤圏内だと考えられている
  • 片道90分超で転居が可能な場合や遠隔地からの応募の場合には、本人希望欄に「内定後速やかに転居可能」など簡潔に記入し意欲を示す

4:配偶者の有無

  • 家族手当など、待遇面に影響することがあるので現在の状況を正直に記入

▶ 採用人事担当者による注視ポイント

趣味・特技欄から応募者の人柄を伺おうとしていますので、空欄にせず記入する事をお薦めします。但し、採用担当者が懸念を抱くような趣味(ギャンブルなど)は控えるのが無難です。
また、敬体(です、ます)と常体(だ、である)が混在しないよう注意が必要です。

封筒の書き方

提出の前に確認!見直し用チェックリスト

  • 誤字・脱字はないか、フリガナを書き忘れていないか
  • 空欄なく埋めているか
  • 写真は剥がれないようしっかり貼られているか、まっすぐきれいに貼られているか
  • 押印されているか(履歴書に署名欄がある場合)
  • 住所、学校・会社名などを省略せずに書いているか
  • 入学、卒業、入社、退社年度・月は正確か
  • 面接準備のために履歴書のコピーをとったか
  • 添え状を入れたか

封筒の書き方

  • 住所は都道府県から正確に記入し、社名は(株)などの略字は使わない
  • 封筒の表面左下に、「応募書類在中」、または「○○職応募書類在中」と記入
  • 封筒の裏面に自分の住所、氏名を記入
  • 切手はまっすぐに貼る
  • あて名は「御中」と「様」を併用しない

郵送&提出時のマナー

  • 書類に折り目がつかないように定形外の封筒を使用
  • 書類に汚れがつかないように、書類はクリアファイルに挟んで封筒に入れる
  • 郵便料金が不足しないように注意
  • 期限が決められている場合は、確実に期限内に届くように送付
  • 急ぐ場合は、宅配便や速達で送付
  • 書留で送付するのは、採用担当者の手を煩わせるので避ける
  • メールでの連絡が可能であれば、送付したことをメールで知らせる

手書きのメリット、データ作成のメリット

特に履歴書を指定されていない限り、規定はありません。
手書きのメリットは字体や丁寧さから人柄がイメージ出来やすい事、データ作成のメリットはパソコンスキルのアピールになると考えられます。ポイントは、提出された書類が見やすく、あなたという人物を的確にプレゼンテーションできているかということです。
職務経歴書(職歴書)はパソコンで作成することが一般的ですが、持参あるいは郵送される履歴書の場合、手書きで提出される方が圧倒的に多いと思います。記事担当の私も個人的には提出される履歴書は手書きを好みます。
なぜなら、手書きで書かれた履歴書から、もちろん全てではありませんが、応募者の人柄を知ることが出来るからです。

採用人事担当者も手書きで書かれている市販の履歴書を見慣れていますので、パソコンで作成された履歴書にどこか違和感を持つ採用人事担当者もいると思います。インターネット求人が活発になり、今後提出する書面も変化があると思いますが、当面はWeb上での応募はパソコンで、面接では必要ない場合もありますが手書きの履歴書を持参すると良いでしょう。
また、職務経歴書はパソコンで作成し、履歴書は手書きのものをデータ化するというケースも増えてきています。パソコンで作成したオリジナルの履歴書を持参する場合も、写真を添付してください。

履歴書作成前の心構え

時間に余裕を持って作成する丁寧に心を込めて書かれた履歴書は、第一印象をアップします。急いで書いた履歴書は記入ミスも多くなるので、提出前ギリギリではなく時間に余裕をもって作成しましょう。応募企業に向けた履歴書にする、採用担当者が魅力的だと感じる履歴書にするためには、応募企業が求めている人材を理解し、そこで生かせる職務経歴を強調する必要があります。志望動機も応募企業向けの具体的な内容になるよう意識しましょう。自分に合った市販の履歴書・フォーマット(テンプレート)を選ぶ市販の履歴書や、ダウンロードできるフォーマットにはサイズや記入スペースが異なったさまざまな種類があります。

企業側からの指定がない場合は、A4・B5どちらかでなければいけない決まりはありません。ですので、市販のものを購入する際は、「自分をアピールしやすい項目の履歴書」かどうかを確認することをお薦めします。例えば、職務経歴の項目が大きくとってあると、就業経験のない方や経験が浅い方の場合は空白が目立ってしまいますので、志望動機や自己PRの欄などが大きいものや、企業が求めている資格を持っている場合は資格欄の大きいものを選ぶ、などです。
自分の経歴やアピールする内容に沿った市販の履歴書や、フォーマット(テンプレート)を選ぶようにしましょう。必ず見直しをする履歴書の記入にミスがあると、採用担当者に「仕事でもミスをしそう」という印象を与えてしまいます。最後に必ずすべての項目を見直しましょう。

NGルール

●鉛筆・シャープペンシル、修正液の使用はNG
履歴書の記入には、鉛筆やシャープペンシルの使用はNGです。黒色のペンかボールペンを使用します。また、インクかすれやにじみにも注意しましょう。書き間違えた場合、面倒でも最初から書き直しましょう。書き間違いを減らすには、あらかじめ各内容を整理した「見本の履歴書」を作成し、それを見ながら書くのがオススメです。

●誤字・脱字・略字はNG
誤字・脱字はNGです。たくさんの履歴書を見ている採用担当者は、小さな誤字・脱字でもすぐに気付きます。日ごろの癖で使ってしまう略字にも注意しましょう。

●空欄はNG
空欄なく記入された履歴書は、採用担当者に誠意と意気込みを伝えます。資格や賞罰など書く事がない場合には、「空欄=記入漏れ」と認識されることを防ぐため、「特になし」と記入しましょう。

●古い履歴書の使いまわしはNG
返送された履歴書をほかの企業に使いまわすのはNGです。日付が古いままになっている履歴書は印象が良くありません。面倒でも新しい履歴書作成しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
履歴書の記載方法や無料フォーマット等に関しては、昨今インターネットで検索すると様々な情報を瞬時に得られる時代です。それだけ、採用人事担当者の目も肥えてきている事も事実です。

転職活動をする際に、面接試験に進む手前で企業がまずは応募書類を見て「会ってみたい」と思われるかどうかが大きなポイントですので、「面倒だなぁ」「何が正しいのか分からない」というイメージがある方もいらっしゃると思いますが、履歴書作成はしっかりと時間を作って作成すべき項目です。あえてこのキーワードは太字にしてみる、といったあなたならではの工夫があっても良いでしょう。
面接機会をいただける事が少しでも増えるよう、お役立ち出来ていると幸いです。

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